◆本の概要◆
 毒舌芸人で知られる有吉弘行が自身の経験を元に、毒舌を上手く使って周囲の人間をたらし込み、スムーズな人間関係を築く方法を記した本。

◆著者情報◆
名      前:有吉 弘行(ありよし ひろいき)
 太田プロダクション所属のピン芸人。1992年オール巨人に弟子入り。

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 こんにちは。黒飴かりんとうです。
 今回は『嫌われない毒舌のすすめ 著:有吉弘行』の感想文を書いてみようと思います。
 多少ネタバレしておりますので、ご了承の上お読みくださいませ。
 大丈夫だよ~という方はどうぞ先にお進みください。PCにてご覧の方は『続きを読む』からどうぞ。

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◆感想◆
 実はこの本を初めて読んだのは最近では無く2012年位なのですが、私に新たな価値観をもたらした思い出の本という事で、当時どう思ったかという感想を書いてみたいと思います。

 この本を初めて読んだ2012年は有吉さんが毒舌芸人として再ブレイクしてちょっと経ったくらいのタイミングでした。未だかつてないキツい猛毒舌で周囲の人々を切りまくる有吉さんを、私も当時の世間の例に漏れず、嫌な人だなぁという思う気持ちと、とは言え的を射た事も言うので痛快で面白いと思う気持ちと、どん底から毒舌という芸風で劇的再ブレイクを果たしたストーリーをアンチヒーロー的でカッコいいと思う気持ちが入り混じった結果、結局は魅力的で目が離せない…という感じで見ていました。

 そんな中、「どうせ目が離せないなら、嫌な人だと思う気持ちを消してしまいたい」と思い、私はこの本を手に取りました。なぜ本を読むことで嫌な人だと思う気持ちが無くなると思ったのかと言うと、ブレイクして少し経った有吉さんは、お笑い界ではお決まりの「実はいい人」いじりを既にされており、本人が書いた本であればそんな「実はいい人」な一面が垣間見れるのではないかと思ったからです。
 また、その前に読んでいた芸人本の筆頭がオードリー・若林さんの「社会人大学人見知り学部卒業見込み」という本音を書いてる系エッセイだったので、「芸人さんが書く本にはその人の本音が書いてあるもの」という思い込みもありました。

 しかし実際に読んでみると全くそんな事はなく、テレビで見るキャラクター通りの有吉さんがそこにいて、まだ20代前半で今と比べたらピュアな部分があった私は、大変ショック受けました。

 この本に書いてあるテクニック自体はどれも理に適っていて決して間違ってはいないと思うのですが、そのテクニックを使うにあたってのスタンスが自己中心的で相手に対する敬意が無く、周りを自分の思い通りに動かそうという打算に満ちていました。
 両親と先生の言う事をしっかり聞き、これと言った反抗期も無く割かし優等生的に生きてきた私は「良い事でも気持ちの伴っていない行動は結局は相手にも見透かされるので、そういう人が好かれることはない。」と思っていたので、有吉さんのガンガン毒舌を吐きつつもテクニックで人間関係を難なくこなし、芸人として人気を集めるだけでなく周りからの好感度まで手にしつつある様と、実際に自分もそんな有吉さんを魅力を感じているという状態は、「良き人」として生きる事が正しいと思っていた自分の価値観を大きく覆しました。

 そして、こんな事が許されるのか…なぜこんな本がこの世にあるのか…と一週間位悩んだ結果、私は「良いとされる倫理道徳観が備わっていなくても、先に行動を良いものにする事にはきっと意味があるし、そういう考え方でこなしても良い人間関係というのも世の中にはあるし、それをこそ必要としていて、それで救われる人もきっと沢山いるのだ。」という結論に達しました。

 結局、この本に書いてある事が有吉さんの本音だったのかは私には分かりません。そもそも芸能人の人格などというものはTVで見ているだけの視聴者が分析できるようなものでもないと思いますし、それに加えて有吉さんは特に、そう簡単に周りに本質を見せてくれるような人ではないような気がします。
 だけど、今の後輩芸人さんへの優しさや、周りの芸人さんからの評判を見る限り、やっぱりいい人なんじゃないかなと~個人的には思っています。というか、真実はどうあれ面白くて周りの人にも好かれているという事実あれば、結局は他人であるいち視聴者的にはそれで十分なのかな~というか。

 この本が有吉さんにとってなんであったにしろ、私はこの本で「どんな意見でも表明することで救われる人がいるかも知れない」と言う事と、「自分が何となく嫌悪を感じている人の意見の中にこそ、自分の価値観を大きく広げるきっかけがある」という教訓を得て、以来「嫌だと思ったらむしろ見てみる」「自分と合わないものを頭ごなしに否定しないようにする」という習慣ができました(完璧にできているかどうかは分かりませんが)。
 あと、自分と全く違う価値観や意見、何なら自分を否定される様な意見を目にしても、あまりショックを受けずに自分を保つ訓練の第一歩になりましたね。あ、あと、自分と違い過ぎて関わることのないタイプの人の意見を知るのに、本がとても良いツールだという事もこの本を読んで実感しました。

 それだけで、私にとってこの本は充分に価値ある本だったと思います。読んでよかったです。

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 以上が『嫌われない毒舌のすすめ 著:有吉弘行』の感想文となります。
 最後まで読んで下さってありがとうございました。
 面白かったよ~という方は、拍手、コメント、星による評価などしていただけると大変励みになりますので、よろしければお気軽にお願いいたします。コメントはあまり厳しい事は言わないでいただけるとありがたいです 笑

 ではでは、また次の感想文で~。

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◆太田プロダクション所属芸人の本はこちら◆
宮下草薙の不毛なやりとり 著:宮下草薙 感想
このゴミは収集できません 著:滝沢秀一(マシンガンズ) 感想 
稼ぐギャンブル 著:じゃい(インスタントジョンソン)…etc.

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