自らドロップアウトした不良少年が、やがてほんの一歩、大人になるまでを描く青春小説。
お笑いコンビ・品川庄司の品川裕さんが、ご自身の過去を元に書いた小説です。

私は不良ものというと「今日から俺は!」の様な、一本筋が通った正義の不良が主役の作品しか知りませんでした。
しかし、この作品にはそういった少年漫画的勧善懲悪の要素はありません。
まず主人公たち自ら、意味も無く喧嘩・窃盗・迷惑行為をするただの不良です。喧嘩相手となる他校の不良も、女性やお年寄りに手を出す、弱いもの苛めをするといった悪役的行動をする訳でもなく、ただただ舐められたくない、一番強いのは自分だと証明したいという思想の下、主人公達と激突します。今まで見た事の無いリアルな不良像だったので、私は終始「なんでこんなことするの??」と意味が分かりませんでしたし、一体何を書きたい小説なんだろうと思いましたが、青春小説の意味を調べて「ヒロシの心の動きや成長を見守ればいいんだな」と納得しました。

全体の雰囲気は明るく、ヒロシの口が達者なので笑い所もありますし、喧嘩シーンはやはり派手で面白かったです。サクサク読める娯楽小説だと思います。